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Lunatic Party ・・・1 |
![]() ≪壱≫ 5時間目の古文の授業から安らかな眠りについていた京一の耳に、クラス委員の葵の言葉が断片的に流れ込んできた。 どうやら、いつの間か授業終了後のホームルームに突入し、議題として一ヶ月後に迫った学園祭のことが取り上げられているようである。 <学園祭か〜、毎年毎年準備だなんだって、面倒くせーよな…> ならば、もうちょいこのまんま知らぬ振りを決め込もうと、瞼をさらにぎゅうッと閉じ、再び夢の世界への突入を試みる。 「それでは……の責任者は、満場一致で緋勇龍麻さんということで、よろしいですね」 一斉に湧き上がる拍手と共に、背後の龍麻が遠慮がちに立ち上がる気配がする。 <何ィ?ひーちゃんが、責任者を?!> 珍しいこともあるもんだと、京一は半ば意識を覚醒させる。 リーダーとして海千山千の仲間たちをまとめ上げ導いているのは、あくまでも事件の時や戦闘においてという限定された状況の話で、普段の龍麻は、そういったリーダーとしての立場を極力敬遠し、集団の中で目立たぬよう努めているようだった。それは、ただ黙ってその場にいるだけでも持ち前の雰囲気で何かと視線を集める龍麻が、今までの経験の中で学んだ処世術だったのかもしれないと、京一以下4人は理解していたが。 <それでも転校初日から佐久間のヤローに目ェ付けられたりしてたよな…> いつしか半年前の龍麻との出会いを懐かしく思い出していた、そんな京一をよそに、ホームルームでは最後の議題に移っていた。 「では最後に、……を手伝ってくれる方を───」 葵がそう言い終える前に、力強く手を上げて名乗りをあげる男が1人。 「はい、はい、はいッ──!!!」 「京一君……」 あたかも授業参観の時の小学生らのような、そのすさまじい勢いにクラス中の人間が目を丸くし、突然起き上がった京一に注目する。葵もしばし絶句していたが、いち早く気持ちを立て直すと、手にしたチョークで黒板にさらさらと“蓬莱寺京一”と流暢な筆跡で名前を書く。 「他にいませんか…」 葵が呼びかけるも、だが皆は一様に反応しない。 「何だよッ、みんな。水臭ェな。せっかくひーちゃんが責任者になって文化祭を盛り上げようって言ってるのに」 さすがに龍麻と一緒に頑張るというシチュエーションに惹かれてという理由こそ口にしなかったが。京一はクラスメートを促すようにぐるっと見回すが、その視線と目が合わぬよう慌てて逸らす者も多数いるという有様だった。 「おい、どうしたんだよッ」 クラス全体の反応の鈍さに苛立ちから顔をしかめたその時、京一の隣の席の小蒔が耳打ちする。 「京一…、アンタまだ寝惚けてんの?」 「俺はとっくに目が覚めてるぜ」 小蒔の、まるで自分を憐れむかのような表情にやや引っかかりを覚えつつ、京一はぶっきらぼうに言い返すが、 「頑張れよ、京一…」 斜め後ろから小声でぼそっと声援を送る醍醐の言葉に、不機嫌度が一気に加速した。 「いつもは仲間の絆がどうのと言っているタイショーが、今日はエラく冷てェんだな」 「すまん。だがこればかりは…とてもじゃないが協力できそうに無い」 「???」 額を机につけんばかりの様子で謝る醍醐を不思議そうに見返す京一の制服の裾を、背後の龍麻がくいくいと引っ張った。 「あの…京一…」 説明しようとする龍麻の声に、聞き馴染みのある声が重なる。 「んふふふふ〜、ご協力感謝するわ〜。京一く〜ん」 「う、裏密ッ?」 何で3-Cの教室にB組の裏密が居るんだと、音には出なかったが口の中でぱくぱくと言葉にする。 「それはね…」 背後からため息混じりに龍麻が、京一に黒板の文字をよく読むようにと囁く。 黒板には 『3-C主催喫茶店調理部門責任者:緋勇龍麻』 という文字と並んで 『オカルト研究会主催お化け屋敷外部協力者:蓬莱寺京一』 という文字がしっかりと書き込まれていた。 「嘘だ〜〜〜ッ」 京一の一際大きな絶叫が、教室内にこだまする。 ≪弐≫ 「ったく…」 ぶつぶつと京一は文句を言い続けている。 「あン時はダマされたぜ」 学園祭を3日後に控えた今になっても、京一は自分の置かれた境遇に納得できないでいた。その京一の後頭部を、小蒔が手にしていた学園祭のパンフレットでパコッと音も軽やかに叩く。 「授業中から意地汚く眠っていた京一が悪いんじゃない。それに、もういい加減に腹くくったら?」 「腹くくれったって…」 相変わらず凶暴なヤツだなと口を尖らせながらも、京一はここが霊研であるという気兼ねからか、いつものように大声を上げて言い返したいという衝動を辛うじて押さえ込んだ。 「それより、何で小蒔がここに居るんだよ」 「あ、ボク?もちろん手伝いに来たんだよ。だって、人手足らないでしょ」 小蒔の言葉通り、霊研の部員たちの他には数名の姿しか見当たらない。ちなみにC組で助っ人として参加しているのは、京一と葵だけだった。 「うふふ、ありがとう小蒔。でも、大丈夫?自分の方だって忙しいんじゃないの」 「平気平気。どうせ部の方を手伝うのは当日だけだし。今は練習にたまに顔を出す程度だからさ」 例年ならばもっと助っ人の人数は多いのだが、今年のお化け屋敷の総プロデューサーが裏密ミサということもあり、なかなか立候補者が現れず、特に男手に関しては京一ただ1人だけという寂しさだった。小蒔は部長を引退したとはいえ、弓道部で行われる親睦試合の手伝いが有ったのだが、あまりの窮状ぶりに前日までの手伝いを快く申し出てくれていた。 <何だかんだ言って手伝いに来た小蒔はともかくとして、醍醐のヤツ、さっさと姿消しやがって> なおも性懲りなくぶつぶつと文句を言う京一の言葉を受けてか、背後から威勢の良い声が掛かる。 「まったく、皆度胸が無いんだからね」 「アン子、遅いよ〜」 仕方ないでしょう、とアン子は小蒔の抗議の口を封じる。 「あたしはあんたたちみたく部活を引退したのと違って、まだまだ他にもやらなきゃいけない仕事があるんだから。むしろ、わざわざここまで足を運んで来たことに感謝して欲しい位よ」 そう一気にまくしたてるなり、手にした荷物をドサっと床に置く 「何だよ?これ」 「何って、鈍いわね、当然ココで使う衣装よ。はぁー、重たかった」 「ありがとう、アン子ちゃん。とても助かったわ」 アン子はお化け屋敷の実務面での責任者である葵から衣装の調達を依頼されていたので、演劇部及び漫研のコスプレ好きの部員から、使えそうな衣装をごっそり借りてきたと言う。 「これも日頃の私の地道な活動の賜物ね」 「……………」 得意げに胸を張るアン子に対して、どうせいつものように脅し文句という名の活動の結果借りてきたんだろうと、京一も小蒔も同時に心の中で同じ言葉を吐き出した。 「一から作るとなると、人手も時間も、それに予算も足りないし…」 床におかれたそれら衣装をチェックし、満足そうに微笑む葵は、さすがに元生徒会長だけあって、限られた予算と人手を上手く利用することには長けている。 「いいのよ。こっちも面白い写真が撮れれば、今度の真神新聞の記事にすることが出来るし。ところで小耳に挟んだんだけど、C組の喫茶店って今回ボランティア活動の一環としてやるんですって?」 「ええ、そうなの」 伝統ある真神の学園祭だったが、時代の風潮からか、年を追うごとに模擬店などのいわゆる営利目的での企画・運営が各学年とも目立ってきた。それを懸念した学校側は、今年の学園祭では今までの風潮を改め、いわゆる模擬店の数を半減させる目的から事前審査制を導入するとの通達が、二学期が始まった段階で明らかにされた。そんなことになるとは露知らず、今年も喫茶店をやろうと乗り気だった3年C組の女子らは、その知らせを受けかなりのショックを受ける。 だが、 「龍麻がいいアイディアをくれたから、無事学校側の審査にパスできたのよ」 龍麻は、営利目的での運営ではなく、材料費を除いた売上金をそっくり慈善団体に寄付しようと一ヶ月前のホームルームで提案したのであった。 『みんなで工夫すれば、予算を低レベルに抑えることも可能じゃないかしら』 その結果、龍麻が調理部門責任者を引き受ける羽目になったのである。 「じゃあ龍麻も大変ね〜」 「出来合いのものを買ってきたら予算が高くつくからって、授業が終わると同時にスーパーの特売のちらし片手に買出しに出かけたわ。行き掛かり上引き受けたとはいえ、龍麻らしいわ。何にでも生真面目に取り組むのは」 「おまけに醍醐クンが荷物持ちをしてくれるから、いっぱい買って来れるってかなり気合を入れてたよ。えへへ〜何を作ってくれるか、ボク今から楽しみだな〜」 早くも龍麻の作るお菓子を想像して、目を輝かせる小蒔だった。 「それだったら、ますます張り切って作らないとね」 「あッ、ひーちゃん。それに醍醐クンも」 どうやら満足のいく買い物が出来たらしく、にこにこと笑顔で龍麻が霊研に入ってきた。対照的に醍醐の顔色が段々と青くなってきたのには、一同揃って美しく無視する。 「買い物も無事終わったし、今日はこっちの手伝いに来たわよ」 「あら、龍麻の方は問題無いの?そっちもそっちで忙しいんでしょ」 それなのに平気なのとアン子が訊ねる。 「うん。今日やることは買い出しだけで、実際にケーキとかを作るのは明日からなの」 それよりこっちの方は余り準備が進んでいないんじゃないかと、龍麻が心配そうに訊き返す。 「そうそう、まだ誰が何の役をやるのかも決まってないらしいのよ。こんな調子で間に合うのかしら」 「仕方ねェだろ。裏密が、全部秘密主義で進めてやがる…」 そこまで発言してから、背後に不吉な気配を感じ、とっさに京一は口をつぐむ。 「んふふふふ〜」 オカルト研究会会長にして、今年のお化け屋敷総責任者裏密ミサが、例の如く突如暗闇から浮き上がるような形で登場する。その不気味さに心臓をバク付かせる男衆2名に対し、女性陣は平然とした様子で挨拶をかわす。 「や〜っとインスピレーションが掴めたわ〜。んふふ〜それじゃあ、発表するね〜」 何故だかこの企画に参加しない小蒔や醍醐までもが、ゴクリと息を呑み込み緊張して聞き入った。 ≪参≫ 夜九時近くまでかかってようやく霊研の飾り付け等の準備をほぼ完了させ、その後みんなでラーメンを食べに行ってからの帰り道。 「今日は疲れたぜ〜」 大袈裟にため息を吐きながら肩の辺りに手を廻して、酷使した筋肉を揉みほぐす京一を見て、龍麻はくすっと一つ笑う。 「今日は慣れない大工仕事までこなしたんだものね、本当にご苦労様」 「まったくだぜ、裏密も遠野も人使いが荒いからなッ」 「でも凄いわね、ミサちゃんの指示で、あっという間にあの教室が見事にお化け屋敷になってしまうなんて。それでもミサちゃんはまだ完璧じゃないから、最後は自分1人で仕上げるって言っていたけれど」 「本物のお化けでも呼び出すつもりか?いや、アイツならマジでやりかねねェな」 ぼそっと京一が呟いた言葉には、龍麻は敢えてコメントを差し控えた。 「それより、明日からはリハーサルよね」 「ああ」 あの時、裏密は葵の役回りからまずは発表し始めた。 『美里ちゃ〜んは、“番町皿屋敷”のお菊の役をお願いするわ〜』 『それって“一枚〜二枚〜”ってお皿を数える幽霊が出る話だっけ?』 『そうよ、主家の家宝の皿を割って成敗され井戸に投げ込まれたお菊が幽霊となって夜な夜な現れ、悲しげに皿の数を数えるという有名な伝説を基にした、岡本綺堂の手になる戯曲ね』 小蒔の疑問に、龍麻が有名な幽霊の話よねとうなずく。 『確かに葵だったら、髪も長いし、何より着物美人だから雰囲気ぴったりだわ』 納得する龍麻の言葉を受けて、葵もにっこりと微笑む。 『うふふ、頑張って演じるわね』 『…それで、京一は何をやるのかしら』 龍麻が口にした言葉に裏密が答える前に、アン子と小蒔が情け容赦の無い毒舌を炸裂させる。 『京一のことだから、そうねえ、さしずめ狼男って役ドコロじゃないの?』 『確かにッ。オンナのコを前にした時の京一は、まさにソレそのものだもんね〜』 腹を抱えて自分を嘲り笑う2人に、京一は怒りを爆発させる。 『るせーな、俺のドコが狼男なんだよッ。まるで見境無く女を襲うみたいな言い方しやがって』 『あら〜、京一君ったら…忘れたのかしら?京都での出来事を…』 アン子の冷たい視線を浴びせられ、京一の怒りの矛先はその行き場を失ってしまい、ただアン子を睨みつけるのが関の山だった。 『…畜生…』 一方、裏密は嬉しそうに正解を発表する。 『んふふふふ〜。近いけど違うのよ〜アン子ちゃん〜。京一く〜んにやってもらうのは〜ヴァンパイアの役よ〜』 『ヴァンパイア!京一が!!?』 ちょっと格好良過ぎるんじゃないの、とアン子が首を傾げるが、 『やるなッ裏密。真神一、いや新宿一の色男にピッタリの役だぜ。まさにベストチョイス!』 たちまち京一は機嫌を直し、鼻歌混じりで衣装を物色し始めた。 『どっちにしたって、女を襲う役ってのに変わりないじゃない』 『狼男じゃ、いかにもムサい男って感じだろ。イメージが全然違うんだよ』 アン子の捨てゼリフも全く意に介さずといった感じである。 京一のこの言葉を聞いたら、さぞかし気を悪くする人物が自分の身近に居るとも知らず…。 『全く、調子の良いヤツだ…』 『んふふふ〜、本当だったら白虎になった醍醐君にも協力して欲しかったのに〜』 『そ、それはッ…いくらなんでも…』 <最大限に遠慮させてもらいたい…> 言葉に詰まる醍醐を見透かすように、裏密が笑みを浮かべる。 『冗談よ〜。ただそうだったらもっと凄い演出が可能だったのに〜惜しいな〜』 裏密の視線に戦慄を覚えつつ、今日一日だけのガマンだ、これも修行だと、醍醐は自分に言い聞かせた。 「醍醐のヤツ、相変わらず霊的なモノに弱っちいんだからな」 「ふふ、誰にだって苦手な物は有るわよ。でも…醍醐君もお化け屋敷に参加していていたとしたら何がピッタリくるのかしらね」 「アイツだったら裏密が言った通り【白虎変】を一発すりゃ、それだけで充分一般人を驚かせられるぜ」 どうせだったら、他の四神の奴らも参加させりゃ、史上最強のお化け屋敷になるのにと、京一は思い付きの冗談を飛ばす。 「あッ、そういえば、他の学校のみんなも真神の文化祭には是非遊びに来たいって言ってくれていたのよ」 龍麻は人差し指を額に付けながら、仲間たちとの会話の内容を思い返す。 「えっと、確か…」 雨紋は、真神の軽音楽部のライブのゲストとして 高見沢と藤咲は、その日は暇だから 紫暮は空手部の、雛乃は弓道部の、それぞれ交流試合があるので<雪乃も一緒に> アランと、霧島と、劉は、コスモレンジャーショーの手伝いで 「何〜ッ!高校の文化祭にまで出張して、あの連中ヒーローショーやるのかよッ!!」 思いがけない参加メンバーの名に、京一は声をでかくする。 「葵に聞いたんだけれど、今度の学園祭実行委員会の方針では、より一層地域密着型を目指しているのだそうよ。来るべき少子化に向けて、学校が生き残るためには──って」 「……つまり地元のお祭りみたいにするってコトか…」 趣旨は良いとしても、よりによってと京一はがっくりとうなだれる。 「アイツらか〜。さぞかし、またまた暑苦しいショーを見せてくれるんだろうな。何だか身内の恥をさらすようで、俺ヤダぜ…」 「もう、口が悪いわね、京一。他にも校内外からのボランティアによる、バザーも予定されているの。それにはマリィと翡翠が参加するそうよ。いずれにしても、みんなが遊びに来てくれるなら、さぞかし賑やかな学園祭になるでしょうね」 「ちッ、マリィはともかくとして、如月がボランティアだ〜?アイツ、仲間の俺たち相手に商売する時にはビタ一文負けねェ、ゼニ亀のくせに。笑かせてくれるぜ」 「そうそう、本人は当日は用事が有ってこられないそうだけど、壬生君が部活で作った作品も販売するって翡翠から聞いたわ」 「……壬生の………作品……?」 <つい先日仲間になったばかりの、あのスカした男が一体何を作るっていうんだ?つーか、アイツが文化系の部活動を…> 聞いた次の瞬間に腰が砕けそうな予感がすると、天性の鋭い勘で感じつつ、やはり聞いてしまう京一だった。 「手編みのマフラーと手袋とマスコットだって。壬生君って拳武館の手芸部に所属しているんですって」 「男子校で…手芸部……しかも手編みの……マスコットまで…」 それらをおそらくは戦闘の時と同じように冷静沈着に作り上げる壬生の姿を想像した京一は、軽い眩暈と頭痛を覚えた。 「…どいつもこいつもッ……。俺たちの仲間ってひょっとしなくても変人の集まりなのか」 「京一ったら、それを言うなら類は友を呼ぶっていう言葉も有るでしょう。そんな酷いコトを言うんだったら、今度さやかちゃんに会った時に、京一がこんな言葉口にしたってバラしちゃおうかしら。そういえばさやかちゃんも、霧島君と一緒に遊びに来てくれるって言っていたし」 仲間であり、自分が大ファンでもある国民的アイドル舞園さやかの名前を持ち出され、京一は慌てて侘びを入れた。 「ちょッ、ちょっと待てッ!それだけは勘弁してくれッ」 「うふふ、さあて、どうしようかしら…」 口では意地悪な言葉で京一を突き放し、さっさと一足先を歩きながらも、京一の目には龍麻の背中が心なしか嬉しそうに弾んで見えた。 <ひーちゃんは本当に楽しみにしてんだな。あいつらが遊びに来てくれるのを> 「ひーちゃん」 「何?」 くるりと龍麻は京一の方に向き直す。その顔は予想通り満面に笑顔がこぼれていた。 「…高校最後の文化祭だし、精一杯楽しい思い出にしようぜ」 「…うん」 京一の言葉に、龍麻はさらに極上の笑みを浮かべ、そっと京一に近寄った。 |
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